最近、自動運転の話を耳にする機会が増えてきました。そして、つくづく思うようになったのが、RX-7という本物のスポーツカーに乗ることが出来た、これまでの時代が本当に幸せだったな、ということ。
今回は、そんな思いについて、前後編に分けて書いてみたいと思います。
◆自動運転と現在実現化されているレベル
この話を書くにあたって、まずは自動運転と、現在どこまで実用化されているかについて書いておきたいと思います。興味があって調べたり、ニュースなどで聞いたりして既にご存知の方も、復習がてらお付き合いいただけますよう。
以下、自動運転のレベルと条件です。
レベル1:システムがステアリング操作、加減速のどちらかをサポート
レベル2:システムがステアリング操作、加減速のどちらもサポート
レベル3:特定の場所でシステムが全てを操作、緊急時はドライバーが操作
レベル4:特定の場所でシステムが全てを操作
レベル5:場所の限定なくシステムが全てを操作
ちなみにレベル1・2については、実際のところは運転支援と言った方が正しいですね。やはり自動運転と言うからには、条件付きであってもシステムが全ての操作を単独で行えなければ。
一方で実用化されているレベルですが、現在、日本で公道を走ることを一般に許可されているのはレベル2までとなります。しばらく前にアウディがA8でレベル3を達成し日本に導入するのでは、という話がありましたが、法制面の整備が追いついていないのと、アウディ自身が「熟成不足でもうしばらく時間が必要」と判断したことで見送られています。
なお、ここに書いているレベルは、かなり大雑把な基準によるものです。同じレベルのものでもメーカーによって「ちょっとした雨でキャンセルされる」「雪が降っても粘り強く作動する」など性能はまちまちで、そのメーカーの技術力が良く現れている部分ですのでご参考までに。
◆自動運転が今後のスポーツカーにもたらす影響
さて、本題です。自動運転が今後のスポーツカーにもたらす影響…それは決して明るいものではないと考えています。その理由は、仮に上記「レベル5」が達成された場合、公道で人手を介した運転が禁止の方向になると思わるからです。
「自動運転で事故が起きた場合はどうする?」なんてことが話題にはなっていますが、そういった議論の結果がどうであれ、少なくとも人手を介した運転よりは事故率は確実に下がります。おそらくは運転禁止になる風向きが変わることはないでしょう。まあ、そこに至るまでには法制面の整備などで10年単位の時間が必要になると思っていますが、技術の進歩が急速である点を考えると、大幅に短くなる可能性も否定はできません。
もちろん、自分で運転を楽しみたいという人からは大きな抵抗もあるでしょう。しかし、それが「安全」に優先されるかと言えば疑問です。加えてマイカーを持つ多くの人が、スポーツカーに乗る人ほど運転にこだわりはありません。「多少運転が好き」という程度の人は、遅かれ早かれ運転禁止の流れを受け入れることになるでしょう。
◇スポーツカーに全く未来はないのか
それでは「これから先スポーツカーには全く未来がないのか」ということですが…そのことについてはもう少し詳しく書いていく必要があります。今回は少し長くなりましたので、毎度のことですみませんが、次回の後編で続きを書きたいと思います。