大津自動車事故と運転技術の話、後編です。
今回は、私がどうして歩道にいた園児や先生を巻き込まずに済んだと思うのか、の二つ目の理由からです。
結論を先に書いてしまうと、これは私がフルブレーキをきちんと踏むことができるから。
こう書いてしまうと、「やっぱり自分は運転が上手いから、という話じゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは本来、車を運転している以上は誰もができて当たり前のことなのです。それが実際には、怖くてちゃんとブレーキを踏むことができない、というドライバーがかなり多い。。
幸い私の場合はサーキットを走っていたこともあり、直進状態であれば150キロ以上の速度からでもフルブレーキを踏むことに躊躇はありません。特に、今回事故が発生した程度の速度であれば、右折車の挙動を見てハンドル操作を加えたとしても、車をコントロール不能にすることはなく歩道に飛び込む前に停止させることが十分に可能だったと思うのです。
少し話は変わりますが、参考までに以下の写真を見ていただけますでしょうか。
私のRX-7のブレーキローターです。ブレーキパッドは純正品以外にスポーツ走行をするために「ENDLESS CCX」「ENDLESS SSM」などを使用してきましたが、パッドを交換するその前にやったことは、ブレーキローターにスリットを刻むことでした。
その目的は、ブレーキパッドとローターの接触面積を少しでも多くして、一般道を含めた制動力を高めること。
ブレーキローターを見て、レコードみたいな溝が刻まれているのをご覧になったことはありませんか?それは、ブレーキパッドとローターの間に異物がはさまって削られたことでできたものであり、そのままにしておけば程度によってはけっこう制動力が落ちます。このスリットには、そういった異物を取り除き、ブレーキローターに溝が刻まれる程度を軽減する効果があるのです。
気にしすぎでしょうか?
ですが、私はこういった細かいことの積み重ねが事故を防ぐと思っています。そして何より、こういった意識をもって車や車を動かす行為に向き合うことが大切である、と。
前編で書いた、他人を当てにしない運転についても同じです。
私は、高速道路などで追い越し車線を走る時、走行車線を走る車の右前輪の動きを見ています。後方確認もせずに追い越し車線に飛び込んでくる動きを、一瞬でも早くキャッチするためです。本線走行時に側道から合流してくる車がある時には、ドライバーの視線を確認します。こちらの存在を意識しているか確認するためです。
結局、私の思うところとしては、運転をする資格があるのは極端に言えば以下の2点が出来る人、と考えています。
* 自分が事故を起こさないための最低限のスキルと意識を有している
* 他人の事故を誘発しない運転やそのための先読みができる
特に、スポーツカー乗りの人でこれが出来ていない人は致命的です。余計なお世話と思われる方もいらっしゃるでしょうが、最低限のことですので必ず身につけていただき、そのうえでドライビングテクニックを磨いてほしいと思います。
幼稚園教員免許を取得し、少なからず園児たちと関わりを持った経験がある私からのお願いです。