東北旅行記3日目の続きです。
震災遺構を巡るツアーからホテルに戻り、今度は「今」の南三陸町を見るためRX-7に乗り込んだ私。走り始めると急に目につくようになった、国道45号の「津波浸水深ここまで」の文字が並ぶ浸水表示板を坂を上り下りしながらいくつも通り過ぎ、「南三陸さんさん商店街」に向かいます。
南三陸町の「今」を見るのに「南三陸さんさん商店街」に行くのは少し安易かな、とも思ったのですが、 現地の方が居住しているような場所にずかずか踏み込んでいくのも何だか申し訳ない気がしてこういう選択になりました。他に当てがなかった、というのもありますが。
伺ったのは平日のお昼ごろ。簡素な造りながら飲食店を中心に30近くの店舗が軒を並べるこの商店街の駐車場には、頻繁に車の出入りがあります。きっと、何か美味しいものがあるに違いない、という根拠のないアンテナを働かせた私は、一通り店舗を見て回ったあと「食楽 しお彩」という店をロックオンします(ロックオンされたとも言います)。
その店の看板で目に入ったのが、「たこつぼラーメン」と「ミニうに丼」。ずいぶん前に書いたことなのでだいたいの方はお忘れと思いますが、旅行したのは9月の上旬。たこつぼラーメンに興味は惹かれるけど、まだまだ暑いこの時期にラーメンを食べるのは…。それに、三陸のうに丼も捨てがたい。。
迷いながら店に入った入った私は、お冷を持ってきてくれた店員さんにこう告げます。
「たこつぼラーメンとミニうに丼をください」
問題はあっさり解決しました。暑さより食欲です。そして、食べたければ少しぐらい量が多くても両方食べるのです。
しばらく待って、まず運ばれてきたのが「たこつぼラーメン」。
地方のラーメンと言えば、個人的にはどちらかと言うと素朴な味を想像していたのですが、これがすっきりとした旨味が印象的な洗練された塩味。暑いのでスープは飲まないつもりだったのですが、残して帰るのがもったいなくてかなりの量を飲んでしまいました。
そして、もう一品のミニうに丼がこちら。
家が築地の近所ということもあり美味しい海産物は十分食べているつもりだったのですが…ここのうには本当に美味しかったです。夏のこの時期にこれだけ身に張りがあって、口に入れるとすぐに溶けて香りと濃厚な味わいが口いっぱいに広がるウニは、築地でもあまりお目にかかれないかも(注:築地のお店は、個人的にけっこう当たり外れが多いと思っています…)。このお店、近所にあれば間違いなくリピートするレベルです。
「食楽 しお彩」。夜には地元の人に向けた別メニューを提供しているそうです。お近くに行かれた際には、一度お立ち寄りされてはいかがでしょうか。