実質的に、私が最初に行ったチューニングと言える車高調整式サスペンションの装着。
最終回の今回は、この車高調が自分にとって残念なものになった理由の「2つ目」について説明したいと思います。
この「2つ目」の理由については、「チューニングパーツというものを正しく理解していなかった私自身の問題」ということは以前書きましたが、その正しい理解の内容を私なりの結論としてまとめると、チューニングパーツはある目的を達成するために、どうしても犠牲になってしまう部分があるということになります。
実はその具体例については、既に中編の中で触れています。私は、今回購入した車高調とノーマルサスペンション(以下、ノーマル)を比較し、以下の通り評価しました。
◇スポーツ走行性能 … 車高調 ✖ ノーマル 〇
◇柔らかさ … 車高調 〇 ノーマル 〇
⇒ よって、ノーマルの勝ち。
しかし、この評価は当然不公平です。既にお分かりの方も多いと思いますが、車高という視点で考えればノーマルの場合の最低値上高が11センチであるのに対して、車高調は9センチで設定。車高調は車高を下げるという目的のためストローク長で2センチのハンデを背負っているわけですから、ある意味目的以外の性能については劣る部分があって当然なのです。
おそらく、この時に装着した車高調は 、短いストローク長の中でダンパーが底付しない設定にしつつスプリングで柔らかさを出すことを求めた結果、アンバランスな印象を受ける仕様になってしまったのでしょう。
無論、チューニングパーツのメーカーの中には、 全てを高い次元でバランスさせている製品を販売しているところもありますし、そういったメーカーさんには本当に頭が下がります。ただ、それでも車高を下げてなお、RX-7のような「本物の」スポーツカーに最初から装着されているものを、「すべての面で上回る」のは現実的ではないと思います。
なぜなら、自動車メーカーは専用のテストコースで段違いの予算を投じて自社の開発車両を磨き上げているのに対し、チューニングメーカーはそういった環境面で大きなハンデを背負っているのですから。
ちなみに、この時装着した車高調の価格は10万円台。 安かろう悪かろうなどということは一概には言えませんが、やはり投じられた開発費用はその価格で販売しても回収可能な範囲であるはずですし、私自身がこのパーツがどういったユーザーをターゲットにしていたのかをきちんと理解できていなかったのだと思うのです。
ただ、今回の話は、あくまで車高を下げた場合を想定して書いています。
ストローク長がノーマルと同じであれば、トータルバランスとしてノーマルを上回るものを作るのは可能な範疇のはず。無論、一般的にチューニングパーツは何らか尖った部分を持っているものであり、自分は「すべてにおいてノーマルを上回る」ことで高く評価されている製品を把握していませんが、もしそういったものがあって多くの方から高い支持を受けているのであれば、私もぜひ一度試してみたいと思います。
なお、この車高調を装着してのち、私のRX-7はこの後2回サスペンションを交換することになるのですが、、その話はまた近い将来にしたいと思います。