私が初めてRX-7に装着した車高調整式サスペンション「TANABE SUSTEC PRO S-0 ソフトKIT」。中編の今回は、前回お知らせした通り、この車高調が自分にとって残念なものになったことの理由の「1つ目」について説明したいと思います。
その1つ目の内容は、ダンパーとスプリングのマッチングが良くなかったという点。
これを説明するためには、まずRX-7にコーナリング中どのような挙動が発生したかをお伝えしておく必要がありますが、その内容としては以下の2点を挙げたいと思います。
*コーナー進入時の沈み込みには問題なし。高い速度でもダンパーは底付きしない。
*コーナー脱出時の伸びが大きく収まりが悪い。スプリングが伸びきっている感覚は感じられないが、車体が波間の船のように長い間上下に揺れている。
イメージいただけるでしょうか。この挙動が一番やっかいな場面は、コーナリングする路面が荒れている時です。
具体的には、コーナーの途中でギャップを通過してスプリングが伸びる方向に大きく動いた後でダンパーが縮むと、今度はスプリングが車体を跳ね返す動きをしてコーナリング中にいつまでも揺れが収まらなくなるのです。
これでは限界がどこにあるのか私レベルでは探りようがありませんし、怖くて踏めたものではありません。
ちなみに、交換前に装着されていたノーマルサスペンションではこのようなアンバランスな動きは起きず、ギャップを通過した後の収まりも良かったので安心して踏んでいけました。どちらかというと、限界が高くて速度が上がりすぎるため、難易度の高いコーナーでは私の方が先にアクセルを緩めてしまう体たらくでしたが(下手)。
このような状況でしたので、メーカーが売り文句にしていた「スポーツ走行性能と乗り心地の両立」なんて大ウソだ、と当時の私は思いました。
しかし、この一方的な評価には誤りがあることを、私は後になって理解することになるのです。
それは、チューニングパーツというものがどういった位置づけのものかを十分理解していなかったということであり、その理解の元に安易に製品を評価していたということなのですが…その詳しい内容については次回、後編の中で書きたいと思います。